無用の布
fabric good for nothing

2005年9月16日 (金) 〜25日(日)
Maki Textile Studio
Aoyama, Tokyo
用途のことはまったく考えず、布をつくってみました。

だから、無用の布。
素材の力に導かれるまま、自由に遊んでみました。
一枚、一枚、
違った顔かたちをしています。
用が無いせいか、
存在感があります。
まきちあき在廊
9月16日(金)
9月17日(土)
9月18日(日)
 昨年のこと、桐生・新井淳一さん宅の倉庫で、何反かの麻織物を見つけました。
 何十年も前の、手紡ぎ手織り布です。
 ただ、いささか黄ばみ、ところどころ劣化しています。(←左写真)

 それを沖縄・西表島に手持ちし、海晒しをしたところ、黄ばみがとれました。
 状態の良い部分は、島の踊りの衣装に使ってもらうことにしました。
 さて、使えない部分はどうしようか…。

 そのころ出会ったのが、「苧屑ざっくり」という古布です。
 「苧屑(おぐそ)」とは、麻糸を績む際に出る屑。
 その屑から糸を紡いで織り上げたのが、「苧屑ざっくり」です。
 無名の職人によって織られた、その力強い布。
 心惹かれるものがありました。

 なんとかこの古い麻布を使えないものか…。
 そこで布を細く裂き、ヨコ糸にしてみようと思い立ちました。
 インドへ持参し、インド藍で染めてみると、すごくきれいな藍色に染まりました。

 もともと手紡ぎ手織りの麻布です。
 それをヨコ糸に使うには、タテ糸もそれに負けないくらいの野性的なパワーが必要。
 そこでタッサーシルクを使いました。
 そのほか、一緒に合わせるヨコ糸も、カティア布とかナーシ布などを裂いて使います。
 やはり屑糸から織られた布です。
 上写真↑は、そんなナーシ布のヨコ糸を、織師イスラムディンに手渡し、織ってもらっているところ。

 機から下ろし、コットの上に並べてチェック。(←左写真。2005/1月)

真木テキスタイル青山店 今までの展示会


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