絲絲雑記帳

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0/「建設篇」


 

7月15日(土) 春繭の糸繰り

 昨14日から春繭の糸繰りが始まる。
 先月末に八王子の長田養蚕からやってきた繭だ。今までしっかり塩蔵されていたので、状態は良い。

 糸繰りのやり方は、十数年前に真木千秋が上州群馬で習ってきたものだ。
 まずは煮出し。
 この手順がかなり複雑だ。
 温度の違う熱湯を二種類準備し、何度か煮沸したり漬けたりして、繭を解舒する。解舒(かいじょ)とは、糸が引けるように繭を煮てゆるめること。
 毎年やっていることだが、手順があまりに複雑なため、毎回メモと首っ引きである。
 解舒した繭は、「もろこしぼうき」で生皮苧(きびそ — 繭の外側部分)を引っかけ、持ち上げ、ズルズルと引っ張り出して、糸口を探る。(左上写真)
 生皮苧の部分は太いのだが、やがてスーッと一本の繊維となる。それが糸口だ。

 糸口が出そろったら、座繰りの作業だ。
 温湯の中に浮かべた繭80粒くらいを、もろこしぼうきでゆっくりあやつりながら、左手で座繰り機の把手を回す。(左中写真)
 ひとつの繭の繊維長は千四百メートル前後だが、繰るにつれてだんだん細くなるので、糸の太さを維持するため、適宜、繭を追加する。
 太い糸が欲しい時は繭の数を増やし、細い糸だったら数を減らす。繭の出来によって繊度(太さ)も違う。今年の繭は出来が良いようで、繊度も大き目だ。

 座繰り機でカセに巻き取った後、乾かないうちにカセ上げし、糸カセにする。
 そうすることで、絹糸のナチュラルなウェーブが保存されるのだ。

 昨日は五人がかりで、15カセほどの絹糸が繰られた。
 澄んだ春繭糸だ。(左下写真)

 ところで、先ほど来、話に現れる「もろこしぼうき」。これは繭の糸繰りには必須の道具である。
 もろこしとは、タカキビ、あるいはソルガム、中国語ではコウリャン(高粱)だ。

 繭の煮出しと並行して、もろこしぼうきの作製も行う。(右写真)
 じつはこのもろこし、私ぱるばが12年前に栽培したものだ。30本穫れたので、まだ残っているというわけ。
 もろこしの種を除去すると、そのまま小さなほうきになる。これが糸繰りに便利なのだ。
 ただ、種の除去が少々面倒である。よって、8月1日からの竹林セールにお越しのお客さんの中で、やりたい人がいたらやらせてあげることに決定! なかなかできない体験だからね。
 除去したもろこしの種は進呈! ま、12年経ってるからね、発芽するか(あるいは食えるか)は不明。(つぶつぶの郷田氏に聞いてみるといいかも)




 

7月13日(木) 発掘

 北インドは雨季に突入した模様。気温は今の東京と同じくらいまで下がって割合しのぎやすいが、雨風がすごい。日本の梅雨とは違って、短時間に土砂降りだ。
 おかげで、できたての工房は、雨漏りがしたり、停電になったり。
 昨日日本を発ったラケッシュ君には、しっかり工房管理をしてもらわねば。

 真木千秋は先週末、インドから帰国する。
 やっと日本時間に慣れてきたところ。
 そして今日は、竹林スタジオで発掘作業に勤しんでいる。
 というのも、8月1日から十日間「竹林8月のお楽しみ」というイベントがあるからだ。
 基本的に夏のセールなのだが、その中に、スタジオの発掘品コーナーが設けられる。

 今回の発掘場所は、母屋の奥座敷。
 いろいろ出てくる — 世界のあちこちで手に入れた絲絲、布布…
 すべて布作りの素材や参考品として求めたものだ。
 しかしウチで保持するより皆さんに使ってもらった方がいい…。そういうものが「8月の竹林」に並ぶのである。

 たとえば、左写真いちばん手前、ベージュ色の糸カセ。これは私ぱるばが五年前の秋、タイの東北部で購入したエリ蚕手挽き糸だ。これはかなりの珍品である。というのも、エリ蚕は通常、真綿にして紡がれる。ところが、タイ東北部では、桑蚕みたいに繭からの繰糸が試みられていたのだ。ただ、当スタジオでは使う機会がなく、この8月に登場となった次第。
 そのほか、中国の手織麻布や、男性用XL木綿シャツなど、いろんなものが発掘される。
 請うご期待!
 


 

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