絲絲雑記帳

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竹林日誌 10前/09後/09前/08後/08前/07秋/07夏/07春/06秋/06夏/06春/05秋/05夏/05春/04秋/ 04夏/04春/03秋/03夏/03春/02後/02前/01/99-00
/「建設篇」


 

7月16日(月) 雨季の闖入者

 雨季に入って三週間目の北インド。
 工房の内外も、日に日に緑が濃くなっていく。
 最高気温も30℃を下回る日があったりして、酷暑と伝えられる日本に比べると、だいぶしのぎやすい。

 雨季といっても、一日中降っているわけではない。
 だいたい1日1〜2度、1時間くらい熱帯性の豪雨(スコール)がある。
 陽が差すことも多く、染織スタジオとしては、そのときを狙って布を乾かす。
 左上写真は一昨日の朝。青空の覗く屋上で、ウールの腰巻が幾つもタテハ蝶のごとく安らっている。
 しかしながら、油断はできない。
 ややもすると、一天にわかにかき曇り、時には雷鳴とともに驟雨がやってくる。
 左下写真は、雨の中、中庭を横切ってアトリエに駆け込む西山茉希(上)とスープリヤ(下…拡大すると雨粒がよくわかる)。

 雨季にはまた珍客も現れる。
 一昨日の夜、夕食後みんなで屋上に上ると、晴れた南天低くサソリ座が架かっていた。それを見つつ、「私はサソリ座のB型だから…」と微妙な独白をするパタンナーの田村朋子。
 そして昨夜、同じくB型の真木千秋の部屋に、ホンモノの黒サソリが出現。あまり大きなものではなかったが、尻尾にはしっかり毒針がついている。いったいどこから入ってきたのだろう。漆喰の壁に張り付いている。(右下写真)
 なかなか見事な造形ではあるが、サソリはやっぱり星座だけにしてほしい。


 

7月13日(金) Ganga工房の漬物

 日本と同じで、インドにもいろんな漬物がある。大根、人参、ニンニク、生姜、カリフラワー等々。
 とりわけ印象的なのが、果物を使ったピクルスだ。マンゴー、レモン、アムラ、波羅蜜…
 「果物の漬物!?」と言うなかれ、これが食欲をそそるのだ。

 再々お伝えしているごとく、GangaMaki工房の敷地には、71本のマンゴー樹がある。もう5年以上、化成肥料も農薬も使っていないから、つまり有機栽培なわけだ。だから味が濃厚。
 工房メンバーのサンジュ(左上写真・右側人物)の妻サンギータは料理が大好き。漬物づくりもお手の物だ。

 そのサンギータ手製のピクルスが二種届く。素材はいずれも弊工房産のマンゴーと波羅蜜。(左下写真,左がマンゴー、右が波羅蜜)
 マンゴーは上写真のデセリ種。青いうちに収穫して漬物にする。その刺激的な酸味と、コリコリ香ばしい皮の風味が特徴だ。
 波羅蜜(はらみつ)は英名ジャックフルーツ。こちらも工房に21本ある。(右下写真)。南インドや東南アジアでは果物として利用されるが、ここ北インドでは未熟果を野菜として使う。それを漬物にすると、シコシコしたテクスチャーとクセのない旨味が良い。私などこれとチャパティがあれば昼飯になる。

 まあ手前味噌で恐縮だが、これら自家製漬物が実に美味なのだ。ひとつにはサンギータの腕前もあるのだが、やっぱり素材の力もあるのであろう。
 皆さんにもぜひご賞味いただこうと、このたび、はるばるインドから手持ちで運び、8月1日から開催の「竹林8月のお楽しみ」に出すことにした。サモサワラティモケのランチプレートに添えられる可能性もあるので、お楽しみに!!


 

7月12日(木) 大いなる訳あり

 きたる8月1日から、東京五日市の竹林shopにて恒例の「8月のお楽しみ」sale!が開催される。
 何がお楽しみかというと、普段あまり店に並ぶことのないモノが並ぶからだ。
 たとえば、「ワケあり品」とか。

 我々としてはあまり楽しくないのだが、今年もあるのだ、大いなる訳あり品が。
 それは、麻のモックレノ織り生地。

 実はちょっとした織りキズがあるのだ。それが訳ありの訳。
 しかしながらこうして水洗いして乾かすと、傍目には、ほとんど訳がわからなくなる。

 この麻100%の生地は、通常、布巾や枕に使われる。
 特にベッドファブリックにすると、夏場、極上の寝心地だ。
 長さにして計120メートル。幅は140cm弱。
 真木テキスタイル史上、最大の訳ありではあるまいか!?

 8月1日までには竹林shopに届くはずなので(インドだから100%は無い)、興味ある人は、その訳も含めて、要チェック!!

 竹林「8月のお楽しみ」8月1日〜8月10日 期間中無休
 カフェ、ランチもあり(8/6を除く)


 

7月10日(火) インドで藍を植える

 GangaMaki工房の敷地は、もと雑穀畑+果樹園。
 今はマンゴーのシーズンであるから、朝昼晩&おやつと、マンゴー食べ放題。それも無農薬有機栽培だからひと味違う。(ま、面倒だから化成肥料や農薬を使わないという側面もある)。デセリという中型品種だ。

 そのマンゴー園の空き地を有効利用しようと、真木千秋&スタッフが土いじりをしている。
 インド藍の移植だ。
 今は雨期だから、移植にも都合が良い。

 下写真でもわかる通り、インド藍はマメ科の植物である。
 だから窒素肥料はあまり必要ない(はず)。

 通常、真木千秋は、畑仕事はほとんどしない。
 東京五日市の拙畑でも、収穫以外には畑に出ない。が、藍草だけは別のようだ。
 インドでも五日市でも、藍草の定植にはせっせと励む。

 一ヶ月ほど前にも、私と二人で五日市の拙畑で蓼藍の定植をした
 ただ、その直後に二人とも渡印してしまったので、藍草はそのままになっている。
 スタッフの報告によると、藍草は順調に生育しているようだ。
 ただし、周囲は草ぼうぼうの様子。
 さて、一週間後に帰国予定の真木千秋、はたして藍草周りの除草はするであろうか!?


 

7月9日(月) パンツ mon-pé

 当スタジオに関わる人々には、インド好きが多い。
 たとえば、パタンナーの田村朋子さん。この二週間ほど自分の所用もあって西部グジャラート州を旅し、そして今日、朝一の便でデリーからここGanga工房に飛来する。
 旅の疲れもものかは、さっそく作業台の前に立ち、テーラーたちと仕事を始める。(上写真…ちょっと見ないうちに思い切り短髪になっている)

 何を作っているのかと聞くと、パンツ「mon-pé」だと言う。
 こんなふうにフランス風に書くと何かと思うが、要するに、もんぺ風パンツだ。
 本年早春から朋子さんが手懸けている、秋冬用の新作ボトムである。
 ウール腰巻などの下に気軽に履ける木綿パンツが欲しい…という要望から企画されたものだ。
 木綿といってもカディでは気軽過ぎるので、タッサーギッチャ糸を織り込んだ平織生地を使う。木綿の黒地にタッサーの褐色がよく映える。ギッチャ糸というのは太目の紡ぎ糸だ。
 木綿×タッサーギッチャ平織のパンツと言えば、かつてDogiというのがあった。これは私ぱるばの武道着から着想を得たものであったが、それ以来15年ぶりであろう。
 今回のmon-péも、直線断ちを活かした和風のパンツだ。布を無駄にせず、可動域の大きい、ゆったりカジュアル。
 ただ、もんぺそのままではなく、下写真に見るごとく、上部は少々つぼまっており、ちょっと洋風の味付けもある。それで mon-pé という表記が良いのではないか、と私が勝手に考えている次第。
 下写真、テーラーが切り取っている三角形の部分は股下になる。布を余すところなくたっぷり使うパンツだ。私も着用してみたが、男にもなかなか良い。(巻きスカート無しでも)




 

7月6日(金) モリンガ

 最近、健康美容食品として流行っているらしい植物、モリンガ。
 私ぱるばはこの木を工房敷地に植えたくて仕方がなかった。
 敷地にはいろんな木が植えられたが、私の希望はこのモリンガだけ。ただ、なかなか実現せず、5年が経過してしまった。
 別に健康美容食品としてではない。単純に食品として好きなのである。

 モリンガという名前は最近知った。それ以前に、インドでは、ドラムスティックという英名で野菜として広く知れ渡っている。(たぶんモリンガと言っても誰もわからないのでは!?)
 南インド飯の、特にサンバル・スープに入っている。モリンガの実なのだが、ドラムスティックと呼ばれるくらいで、まさしくドラムのスティックみたいに細長い。それをブツ切りにしてスープに入れるのだ。半分はスジスジで食えないのだが、そのスジスジの間に詰まっている果肉がまことに美味。おそらく日本では手に入らないだろう。南インドでは広く栽培されているらしい。
 しかし、ここ北インドでは、ほとんど知られていない。先年、大きな苗木屋を何軒か回ったのだが、樹木のプロですら名前を知らないのだ。
 ようやく昨年の今ごろ、ウチのスタッフが近在の苗木屋で見つけ、敷地に定植したらしい。が、いつの間にか消え去ってしまった。私も不在だったし、あまり気がなかったのだろう。
 先日その苗木屋に所用があって行ったところ、あったのだ、モリンガ。30cmほどの苗木だ。それで勇躍、四本ほど購入して、敷地に植える。そのうち1本は調子悪いのだが、3本はなんとか根付いたみたい。さて、そのうち自家産のドラムスティックが味わえるのか!? あ、美容健康に良いという葉っぱも、楽しみなことだ。



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7月2日(月) インド藍の半発酵染

 関東地方はもう梅雨明けということで、その早さにちょっとビックリ。
 インド全土も雨季入りし、これも平年より二週間ほど早いという。この4〜5日は最高気温も30℃を下回っている。東京あきる野は梅雨明け以来連日35℃前後の最高気温だから、こちらインドよりも暑いわけだ。
 こうした「日印逆転現象」は、基本的に8月末まで続く。すなわちあと2ヶ月ほどは、インドの方が涼しいというわけ。みなさんインドに避暑にきませんか。(雲が切れて陽が差すと一気に気温上昇するのだが)

 さて、GangaMaki工房の畑では、インド藍が栽培されている。
 インド国内では南部で主に栽培されている作物で、ここ北部ではまだ十分には成長していない。 (写真1)
 マメ科の低木で、種は沖縄西表島および南インドから持ち込む。どちらかと言うと、沖縄産インド藍の方が当地の気候に合っている印象だ。
 低木であるから、上方の枝葉を刈り取って使用する。上手に世話をして、また伸びてきたら刈り取って使う。

 今回は、インド藍草による半発酵染を試みる。これは西表島紅露工房で習ったユニークな染色法だ。
 まず、枝葉を刈り取り、そのまま水に漬けて放置する。
 気温にもよるが、二晩ほど放置すると、発酵により葉から藍の色素が溶出する。表面がヌラヌラと青色を呈してくる。(写真2)

 その枝葉を手で絞って、発酵汁を集める。(写真3)。
 臭いもけっこう強烈だ。日本の藍建ての臭いとも違う、ナマ酸っぱいような腐臭である。

 その発酵汁でそのまま染める。加温も薬品も要らない。(写真4)
 石灰も使わないから、アルカリに弱いウールやパシミナを染めるには好適だ。(発酵液はおそらく弱酸性だと思われる)

 今回は主にヒマラヤウールを染める。(右下写真)
 好みの濃さになるまで重ね染めをする。
 染まった糸は、やがて腰巻や掛け布を彩ることになる。

 





 

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