絲絲雑記帳

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/01/99-00/「建設篇」






 

1月23日(木) 藍の種〈インド編〉

 十日ほど前の1月12日の日誌に「藍の種」を掲載した。これは東京五日市・拙畑の蓼藍の種だ。
 ここganga maki工房でも、藍の種取りの季節を迎えている。

 ご存知の通り、インド藍はマメ科の木本(灌木)だ。
 工房の藍畑では、葉を落とした藍の木が、莢だけつけて立っている。(左上写真)

 その莢を摘み取って、屋上で陽に干す。(右写真)
 灌木だから、木の世話さえしていれば毎年蒔く必要は無い。新たに藍畑を作る時に蒔くのだ。

 左下写真が、莢と種。
 写真をクリック拡大するとわかりやすいが、マメ科であるから、藍の種も小さな豆である。きっと蛋白質も豊富なのだろうが、これを豆カレーにして食うという話はあまり聞かない。


1月21日(火) インド弁当

 午後1時。
 「カ〜ン」と鐘の音。
 シャバーズ君が鳴らしているのだろう。真木千秋のアシスタントだ。わりあい正確である。
 それを合図に、工房スタッフは仕事の手を休め、建物を出る。
 昼休みだ。
 工房内での飲食は禁止。インド料理につきもののターメリック(うこん)などが布や糸についたら一大事だ。
 スタッフ用には、ちゃんと屋根のあるカンティーンも用意されている。しかし今日みたいにわりあい晴れた冬日には、陽の中でピクニックが好まれるようだ。
 四十数人のスタッフが、それぞれお気に入りの場所で、三々五々集まり、あるいは一人で、弁当を広げる。
 左写真のグループは、男女混合で、機場、染め場、針場から集まっている。
 それぞれ持ち寄った料理を分け合って食べている。カリフラワーカレー、金時豆カレー、レンズ豆カレー、マンゴーピクルス…。それらと一緒に主食のローティ(全粒粉のパン)を食べる。わりあいシンプルで少量だ。





 

1月19日(日) 忠犬ハチの物語

 昨日と打って変わって、気持ち良く晴れ渡ったganga maki工房。
 やはり冬の北インドはこうでなくちゃいけない。
 日曜の静かな朝、キッチン前のベンチで日向ぼっこのハチ。(上写真)
 外気温は9℃。チベット犬で寒さには強いはずだが、やはり冬場は陽が恋しいようだ。
 思えば工房犬にも歴史がある。
 初代のリンとコロが来たのが9年前の2011年初頭。ともに♂。
 その三年後に♀のハナ。これら三頭はいずれも遊牧民のキャンプからもらわれてきた大型犬だ。
 そして、一年後の2015年、それらの間に生まれたのが、ハチ。新工房建設に忙しかった頃のことだ。下写真の奥が当時のハチ、手前が兄弟のポチ。こうした日本名はラケッシュの仕業だ。両方とも黒く見えるが、ハチは真っ黒、ポチはブラックタンであった。
 ハチは色からしてリンの子供だろう。
 新工房で生活を始めたハチとポチ。兄弟でも性格はまるで違う。ポチはやや小柄だったが、かなりやんちゃで、すぐに工房を飛び出していく。それでいつもマンゴーの樹に繋がれていた。ハチは大人しかったから、繋がれることもなく、放し飼い。
 一昨年のこと、ポチは塀を乗り越え、外に飛び出したまま、戻ってこなくなった。風の噂によると、昨年一度、ボロボロになって戻ってきたそうだが、またすぐに消え去る。どこまでも自由を愛する男なのだろう。

 ハチはいつも静かに私たちの許にいる。
 もう五歳になった。
 牧羊犬の血筋だから、夜はいちおう番犬もしているのだろうか。
 






 

1月18日(土) 冬の工房

 インドというと一般に、「暑い」という印象であろう。
 よく冗談で「インドには季節は三つしかない。hot と、hotterと、 hottestだ」とか言われるが、冗談じゃない、cold もあるのだ。
 あまり暖房設備が整っていないから、もしかしたら日本よりcolder かも。

 今冬はことに寒さが堪える。日本も同じだが、年によって気候が異なるのだ。
 今年の北インドは天候が不順だ。通常今ごろは乾季なので、連日太陽が出るはずなのに、ここのところ左上のような空模様が続く。裏日本のような風情だ。湿度も雨季なみに高い。

 太陽が出れば気温は20℃前後まで上がるはずだが、曇っていたら暖房も必要だ。
 そこで工房には火鉢が持ち込まれる。
 熱源は木炭だが、品質がイマイチなので、ちょっと煙たい。
 エアコン入れたら?と言うのだが、年に十日ほどだから大丈夫!と真木千秋はのたまふ。
 ジャンパーを着込み、パシミナショールを首に巻いて奮闘だ。(左下写真)
 助手のシャバーズとともに、薄手シルクショールのタテ糸を作っている。
 ここのところ、タテ糸の終了した織師が続出しているので、真木千秋も大忙しである。

 聞くところによると、今日、五日市の竹林スタジオは降雪があった模様。
 ま、お互い、冬らしくて良いか!?




 

1月16日(木) 幸福のチキン

 本日早朝4時過ぎ、私ぱるばganga maki 工房到着。家を出てから26時間にわたる長旅であった。しかし考えてみれば、東京の西端からヒマラヤの山裾まで26時間で来てしまうのだから、それもまたスゴいことである。
 当地・北インドも真冬。今朝の最低気温は11.5℃であった。
 工房のキッチンは壁のない吹きさらしだ。日本で使わなくなった革ジャンを着込んで朝食に赴く。(牛革製であることは当地では内緒)。
 ganga maki名物の焼きたて雑穀チャパティをちぎっていると、雄鶏が許可無く土足で上がり込んでくる。(いちおう土足禁止)
 工房で飼っている鶏だ。現在は写真の1カップル、二羽のみだ。前はもっとたくさん居たのだが、工房の畑を荒らすので人員整理された。今は特に採卵することもなく、放し飼い状態だ。
 鶏卵やチキンと言えば、我々にいちばん身近な動物性蛋白であり食肉だ。原産地はインドだと言われる。その祖先は当地にも棲息している赤色野鶏だ。写真の雄鶏も見たところ、野鶏の形質をかなり残している。
 野鶏の寿命は10〜20年と考えられているが、チキンは生後40〜50日で食肉となる。若鶏と呼ばれる由縁だ。
 二歳の鶏ともなると肉が硬くてダメ、とgangaキッチンのシェフ、マニッシュ君は言う。ということは、このカップルも当面、食肉になることもなく、工房の庭で、自由なニワトリライフを楽しむことができるようだ。(しかしやっぱり畑作物を荒らすので、真木千秋は「食べちゃうぞ!」と言っている)




 

1月12日(日) 藍の種

 はぎれ&反物市もお陰様で無事終了。
 今年も多数お越しいただき、めでたい年の初めであった。

 翌土曜日から世間は三連休であるが、用務員は休むいとまも無い。
 三日後の15日から一月ほどインド出張があるので、仕事が山積なのだ。
 そのひとつが、藍の種取り。

 拙畑では、昨秋9〜10月に咲いた蓼藍が、種をつけている。
 本来なれば晩秋に種を採るべきものだろうが、つい年を越してしまった。
 アカマンマみたいな花の咲いたところに、殻ができ、ひとつずつ種が入っている。
 左写真、掌の上方にあるのが藍花の殻。掌の真ん中にあるのが種。
 写真をクリック拡大するとよくわかるが、藍の種はちょうどゴマみたいな形をしていて、ツヤがある。
 これを保存しておいて、春に蒔くのだ。

 掌の背景にあるのが、枯れた藍草。
 よく見ると、葉っぱが青色を呈している。
 藍の葉は緑だが、枯れると葉に含まれるインドキシルが酸化して、葉が青変するのだろう。
 藍生葉染めの天然版だ。
 古人はそれを見て藍染を発見したのかも。






 

1月8日(水) 竹林の火遊び

 現在、竹林スタジオにてはぎれ&反物市開催中。
 冬場の竹林イベントのお楽しみは囲炉裏。
 この囲炉裏は竹林母屋にもともとから切ってあったもので、母屋と同じ歴史を持つとすれば、江戸時代に遡る代物だ。
 用務員たる私ぱるばは、この囲炉裏のため、秋口からせっせと木炭づくりに励んでいる。火の番は用務員の重要な仕事のひとつだ。

 その任務に必須なのが、火箸。
 母屋の囲炉裏には、古い鉄製の火箸が一組添えられていた。
 この二十年、その火箸を当然のごとく使用してきた。
 ところが、4日前、はぎれ市の初日であるが、火箸が何となく変だ。良く見ると、先が欠けているではないか。
 業務に支障を来たしかねないので、夕刻、近所のホームセンターでひとつ買ってきた。531円。真鍮製の黄色く光るやつ。しかし実際に使ってみると、ちょっと短いし、グリップや保持力もイマイチ。
 やっぱり、母屋オリジナルみたいな、渋い黒金(くろがね)の火箸が良い。
 ネットで調べると、鉄製火箸の通販はいろいろある。しかしながら、やはり織物と同じで、実際に手で触れて選ばないと後悔するかも。それで更に調べを進めると、大田区にあるさる炭屋さんで扱っているらしい。
 それで昨日、東京に用もあったので、その炭屋さんまで足を延ばし、南部鉄製の火箸を一組ゲットする。(しかし大田区は遠い…)。下写真・左側が母屋オリジナル、右側が新品。長さはだいたい同じ28cmくらい。
 今日、下ろして実際に使ってみる。先端部が滑らかな分、炭の保持力にはやや劣るが、灰に突き刺す際の鋭い感触が良い。総じて及第点というところか。ここしばらくはまた、新鮮な気持ちで火遊びに励むことができるだろう。

 囲炉裏は明後日の10日まで。
 火の番をやってみたい人はお申し出のこと。
 (けっこう楽しい)




 

1月3日(金) ハギレ市のパーキング

 みなさん、明けましてナマステー!
 今年初出勤の用務員・田中ぱるば。(左写真)
 何をやっているのかというと、相変わらず駐車場の拡張作業。
 年末からずっと、暇さえあればこの地味な仕事に携わっている。
 というのも、明日に迫る「ハギレ市」初日は、一年でいちばん来客の多い日だからだ。
 「駐車場完備」を謳う弊スタジオであるが、この日ばかりはチト厄介。それで1cmでも1mmでもスペースを削りだそうと、寒空の下、涙ぐましい努力を続けているという次第。いささか悪あがきの感もあるが、これで収容台数15台になったかな!?
 お客さんがたくさん来てくれるのはひたぶるに嬉しいのだが、電車で来てくれるともっと嬉しいかも…。JR五日市線、なんせ東京のローカル線だからな、いつ無くなるかわからないし…。
 今さら言っても遅すぎるのであるが、そういうわけでよろしく!
 あ、もちろん、車でのご来訪も大歓迎!






 

1月1日(水) 謹賀新年 あるいはインドの「元旦」

 みなさん、Happy New Year!
 今年もよろしく!

 私ぱるばは信州上田の実家で新年を迎える。元旦とは思えないような好天。真木千秋も東京小金井の実家、スタッフもそれぞれの在所にて、めでたく正月を迎えた(ようだ)。

 竹林スタジオは12月28日から明日(ないし明後日)まで休みであるが、インドでは太陽暦1月1日は別に目出度い日ではない。(他に目出度い日がいっぱいある)
 従ってganga makiスタジオは、昨日も今日も普段通スペースり稼働している。

 掲載の写真は今日1月1日の様子。
 左上は工房の中庭。女性スタッフが日向に繰り出し、ラグの仕上やら糸巻きやら、思い思い作業に励んでいる。
 夏期には考えられない光景だが、12月〜2月の冬期は当地でも陽差しがなつかしい。
 本日の最高気温は18.3℃、最低が8℃少々。東京五日市と比べ10℃ほど高いが、インドではじゅうぶん真冬と言えよう。

 左下写真は製織工房の中。
 手前は織師グラム。ウールのベストに頬被りをしている。頬被りというと日本では怪しげな雰囲気だが、インドではごく普通の冬装束だ。
 グラムの機にかかるのは春夏の服地で、麻とタッサー紡ぎ糸を使っている。その奥にいるのが織師シャザッド。青い薄手のシルクショールを織っている。季節は冬だが機の上はもう夏到来の風情だ。
 現地時間は今17:17。そろそろ帰り仕度を始める頃だろう。
 かくしてインドの正月1日は坦々と過ぎていくのである。


 

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