いといと雑記帳 2004

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7月24日(土) クマゼミ

 私のお気に入りHPに、「森田さんのお天気ですかァ?」というのがある。
 森田さんというのは、TBSのお天気キャスター。
 日々の気象状況を軽妙に解説してくれ、特に関東在住のお天気者には重宝である。
 それで思い出すのは、Maki青山店の前身である「布土木(フドキ)」の主・浅野義夫氏。
 彼もみごと気象予報士に合格したのだが、さてその後の消息やいかに?
 で、森田さんのサイトをさきほどチェックしたところ、今日は「 日中の気温は東京で35℃の予想。今年5日目の酷暑日になりそう」とのこと。
 夏日や真夏日という言葉は知ってたが、酷暑日ってのもあったのか。
 夏日は最高気温が25℃以上。真夏日は30℃以上だから、35℃以上になると酷暑日なのかな。
 というわけで、連日お暑うござるが皆さんお元気ですか? ということが言いたかったわけ。

 そのせいかは知らぬが、ここ養沢の谷で昨日、耳慣れぬセミの声がした。
 ただ一匹だったが、シュワシュワシュワと鳴くのである。
 さっそくネットで調べてみると、どうやらクマゼミのようだ。
 関西や西日本ではごく普通に生息するらしいが、ここ東京ではめったに聞かれない。
 東日本に住む子供にとっては遠い存在なのだ。
 採ることはおろか、姿を見たことすらない。

 その黒光りする姿は、図鑑などで知っていた。
 日本最大のセミだし、「クマ」の称号を冠してもいるから、もし昆虫採集の中に加えることができたら、きっと鼻高々だったろう。
 小学生の頃は、夏休みの宿題の一貫として、よく男の子たちは虫を集めたものである。
 特に私はひところ東京中野の小学校に通い、夏休みはずっと上田の祖父母のもとで遊びほうけていたから、昆虫採集がいちばん手っ取り早く、かつ教室内での視覚的効果も大きかったのである。
 捕虫器を片手に握り、胴乱型の虫籠を肩から下げ、帽子をかぶる ― これが当時の私の完全武装であった。
 セミに関しては、上田にいくらでもいたニイニイとミンミンとアブラゼミ。
 更には高原で捕まえたヒグラシや、東京で鳴いていたツクツクボウシをコレクションに加えた年もあった。
 クマゼミを標本にして持ってきた者は、級友の中にもいなかったのではないかと思う。

 私の標本の中で一番の目玉だったのは、日本最大のトンボ、オニヤンマだった。
 これは上田にもいた。
 ただ、自分自身の戦果だったかは定かでない。
 だいたい、小学三年の小僧っ子に簡単に捕まるような優雅なトンボではない。
 きっとどこかのオトナにもらったものであろう。

 ジュラ紀の生き残りみたいなやつだ。
 きっと皆さんが恐竜をやっている頃、私はトンボとなって空中遊泳していたのであろう。
 この見事なトンボの標本に、私はそこはかとない郷愁を覚えていた。
 それで一回だけではあまりにもったいなく、翌年もその同じ標本を昆虫採集の中に加えた覚えがある。
 はるか昔の反則ワザであった。


7月27日(火) ズッキン!?

 夏野菜って、わかるかな?
 今はスーパーに行けば何でも手に入るから、ことさら夏も冬もないかもしれない。
 でも、ウチみたいにささやかながら畑をやってると、四季の野菜には厳密な区分があるのである。
 たとえば、今朝採ってきたトマトやシシトウ、これは夏野菜。
 それからキュウリやナス、ピーマン、カボチャ、インゲン豆 … 。
 ほかにもあるんだろうが、当家に関する限り、上記のものが夏野菜である。(つまりそれくらいしか獲れない)

 おなじみの面々であるが、こうしたものも皆、かつて船に乗って渡来した作物である。
 キュウリやナスはインド原産、その他はぜんぶ中南米だ。
 そして今年からもうひとつ、中米原産の野菜が当家に加わった。
 ズッキーニである。

 真木千秋がこの野菜に開眼したのは、昨年の夏。
 とある韓国料理店で、おそらくナムルに入っていた生のズッキーニに感心したのだ。
 私は特に開眼もしなかったのだが、今年の春、夏野菜の苗を買いに地元の農協を訪れた際、ズッキーニの苗が売られていた。
 それでモノは試しと、二本買い求めて植えたのである。

 苗の姿はカボチャとよく似ている。
 しかし成長のしかたがユニークであった。
 カボチャという植物は、傘のような大きな葉を上に向けながら、蔓を四方に伸ばしていく。
 ズッキーニの場合、葉っぱはカボチャとやや似ているが、蔓を伸ばすことがない。茎をわずかに横に伸ばすのみだ。
 その結果、株全体がこんもりとした森のようになる。

 このイタリアっぽい名前を持つ野菜、日本に到来したのが1977年だという。
 だからこの養沢の谷でも、まだあまり馴染みがないようだ。
 地元の人に、「それ、なんですか?」と聞かれることがある。
 「ズッキーニです」と答えると、「えっ、ズッキン!?」と怪訝な顔。
 (たしかにphallicな趣はある)
 昨日は30cmの大物が獲れたので、今朝はズッキーニ攻めであった。
 煮たり蒸したり、小麦粉をからめて油で焼いたり、いろんなバリエーションで楽しめそうな野菜である。 

* * *

 しかし、夏の畑は、雑草とヤブ蚊と猿との戦いだ。
 昨日、朝起きて隣家の畑に目を遣ると、ちょうど猿の親子が立ち去るところだった。
 そこまではよくある光景だが、なんとこのたびは手土産つき。
 親猿は大きなカボチャを、小猿は小さなカボチャを抱えて行くではないかっ!

 この目撃談を語ると、真木千秋や真木雅子など「かわいー♪」とかのたまふのだが、「かわいー♪」で済まされる問題ではない。
 じつは私は隣家の畑を少々借りているのであり、そこにはカボチャが育っている。
 それがようやく、小さな実を結んだところだったのだ。
 親猿の大きなカボチャは間違いなく隣家のだからまァいいとして、小猿の小さいやつは私のである可能性が大なのである。

 あんな熟してない実をどうすんだろ…とか思うのだが、けっこうシャキシャキしてうまいのかも。
 種類は違うが、マンゴーやパパイヤの未熟果はなかなかイケルものである。
 ま、動物愛護と思って諦めよう。

 …と言うのは真っ赤な嘘偽りで、自分のカボチャだけはしっかり金網で囲うのであった。
 さて、猿との知恵比べ、その帰趨やいかに!?


8月2日(月) 踊るSOHO健康法

 SOHOとは「 Small Office-Home Office」 の略。
 家でパソコンを使ってお仕事など致しているケースだ。
 今日はこの言葉を知っている人向けのお話。
 
 そう、パソコンにばっか向かってたら、心身の健康にあまり良くないよね。
 一時間に一度は持ち場を離れて、バランスを取りたいものだ。
 そこで私が最近開発した方法をご紹介しよう。
 楽しくて、簡単で、効果抜群である。
 すなわち踊るのだ。
 ただ、ちょっと最新のテクノロジーを利用する。
 
 アップルのiTunesというソフトをダウンロードするのだ。
 Mac用もWin用もタダで手に入る。
 http://www.apple.com/jp/itunes/download/index.html
 そして、自分の手持ちのCDを片っ端から読み込む。
 ネットに接続していれば、iTunesが自動的にアルバム名や曲名などを取得してくれるから便利。
 圧縮ファイルだから、たいしてハードディスクも食わない。
 そして踊りたくなるような曲をピックアップする。(プレイリストの機能を利用)
 その中から一時間に一度、曲を選んでパソコンでプレーし、好き勝手に踊る。
 頭や目に集中しがちなエネルギーが、ハートや四肢に分散して、じつに爽快である。
 運動不足の解消にも効果あり。

 細かいワザを紹介すると…。
 スペースバーが「再生・一時停止」のボタンになるから便利。
 シャッフル(ランダム再生)にしておくと、何が再生されるか予測できず、楽しみも倍増。
 ともかく、値千金の便利な無料ソフトである。

 ただ、パソコン周りの空間が狭すぎて、こころゆくまで踊れないという向きもあろう。
 そんな人のため、アップルが先頃、ちょっと画期的な製品を発売したのだ。
 AirMac Expressというちっちゃな白い箱、じつはこれでパソコンからオーディオ機器に音楽が飛ばせるのだ。
 http://www.apple.com/jp/airmacexpress/index.html
 すでにワイヤレス環境にある人(たとえば無線ルータでインターネットしている人)は、これがあると、別室にあるステレオやラジカセでiTunesの曲がプレーできる。
 私もさっそく導入したんだけど、これがなかなか快適。
 昨日みたいな月夜など、電灯を消して月明のもとで踊るなんて、ちょっとプリミティブで楽しいものだ。


8月5日(木) 青山かいわい散歩 ― cafe farg

 ちょっとご紹介が遅かったかな!? のスポット。
 ほかでもない、Maki のOG、金森愛(かなもりあい)の店なのである。

 みなさんもMaki青山店などでお馴染みかもしれない。
 学校で染織を学んだ後、当スタジオに5年少々在籍。
 その間、インドに15回ほど通い、真木千秋の染織アシスタントを務める。
 昨春めでたく当スタジオを卒業し、表参道に彼氏とカフェを開いたのである。
 上写真は昨年4月、最後のインド。
 大好きなタテ糸職人・パシウジャマとのツーショットだ。
 写真の嫌いな金森愛であるが、ま、このくらいはいいだろう。

 お店の名前は、cafe farg (カフェ・ファーリ)。
 ファーリとはスウェーデン語で「色」という意味。
 なぜスウェーデンなの?と聞くと、単純にスウェーデンが好きなのだそうだ。

 地下鉄「表参道」駅から、Maki 青山店とは逆方向に歩く。(A2出口)
 有名な「まい泉(とんかつ)」から、2ブロック先の左側。
 EFビルというベージュ色した建物の階下にある。
 中に入ると、白を基調としたインテリアがそぞろに北欧的。
 その白壁に金森愛の織り作品があしらわれ、洒落た雰囲気を醸し出している。(下写真の壁面作品など)

 食事のメニューは「週替わりカレーセット\1000」や、「日替わりお昼ご飯セット\900」など。
 彼氏が長く飲食関係に携わってきたので、味の方は確かだ。
 ボリュームもたっぷりで、「こんなんでモトが取れるんだろうか」と心配になるほど。
 ドリンク類も豊富で、ケーキセットもある。
 ここのコーヒーは感心にも佐惣珈琲豆を使用。
 じつは金森愛の細腕には珈琲筋という肉が付着していて、コーヒーをいれるのが得意なのだ。
 ただ、金森愛、一番やりたいのは、やっぱり染織なのである。
 忙しいカフェ業の合間に、実弟・金森穣(ダンサー/振付家)のためにステージ衣装の製作を手がけたりしている。
 また彼女の手織りストールも何点かMaki 青山店に置いてあるので、ぜひご覧いただきたい。
 Maki ストールとはまた違ったモダンな輝きがある。

 もう一度インドに戻って織師たちと一緒に仕事をしたい、と考える金森愛。
 ただそのためには、もうちょっとカフェの仕事に余裕ができて、人が雇えるようでないと…。
 というわけで、青山の当スタジオにお越しの節は、ぜひともここfargで一服、ないし、腹ごしらえをしていただきたいものである。
 「Maki のHPを見た」と言えば特別サービスが! (あるかもね)。
 ただ、昼時は混み合うので、できたら二時以降がよろしいかと。
 ホームページはこちら

 渋谷区神宮前 3-5-2 EFビルB1 TEL03-3401-5057
 11:30-22:00 日曜休

8月14日(土) 国衣発揚

 今、信州上田の実家。
 実家にいると、することもないので、どうもテレビっ子してしまう。
 今はオリンピック開会式の録画をやっている。
 勝負に関係ないから気楽に見物できていい。 
 今回は、ギリシア語による国名順の入場だから、アメリカの次に日本が出てきたりして、いつもと趣が違う。
 ヤンキーの後に日本人を見ると、なにやら奥ゆかしさが漂い、これがこの国の美点なのだろうと思う。
 そのすぐ後に登場したのが、わがインドであった。
 女たちはサリーを着用していたが、スポーツ的にはマイナーな国だから、ほとんど一瞬しか写らず残念。
 男はたいしたものを着ていなかったようである。

 入場行進の衣装なんかどうでもいいようだが、じつはけっこう重要なのである。
 私がオリンピックの開会式を初めて目にしたのが、今から40年前(!)の東京大会。まだ満八歳になっていなかった。
 当時は白黒テレビであったが、後に記録映画も観たし、雑誌の五輪特集号も読んだりしたので、いろんなメディアで開会式を見ているのである。
 百を超す国々のうち、いちばん印象に残ったのが、ガーナとかチャド、スーダンといったアフリカ小国の選手団だった。
 なぜなら、コスチュームが「洋服」ではなく、ただ布を巻いたような民族衣装だったからだ。
 彼らの黒い肌に、おそらくは綿であろうシンプルでカラフルな布が映え、じつに美しく感じられた。
 当時はロッテガーナチョコレートなんかもなかったから、その入場行進で国名を覚えたようなものだ。
 今でもチャドの選手団が入場したりすると、そのときの好印象がよみがえる。
 日本は赤いブレザー姿で、色は派手なんだろうが、特に感動を呼ぶような代物ではなかった。

 総じて、東アジアや東南アジアの国々は、服装が従順でおとなしい。
 中国、韓国、モンゴル、台湾、香港、タイ…。みんないわゆるお洋服で、要するにつまらない。
 それでも、似合って美しいのであれば問題ないが、こうした洋服は読んで字のごとく洋モノであるから、まず西洋人には負ける。
 欧州の選手団は、それがいかなる東欧の小国であろうと、ありきたりなブレザーを羽織っても、それなりに見栄えがするのである。
 どうも東方アジアの国々は、オリンピックというショービズの扱いが上手くない。

 今回は、わずかにフィリピンの男たちが、おそらくはピーニャ(パイナップル繊維)であろう素材感のある半透明のシャツを着用。涼しげで好もしかった。
 アジアでいちばん印象的だったのは、ヒマラヤのふもとブータンの男たち。
 ほんの一瞬しか映らなかったが、着物によく似た「ゴー」という格子柄の民族衣装がイケていた。
 あるいは、南太平洋の島国であったか、上半身裸の男たち。
 暑いアテネであるし、そもそもが肉体派の運動家たちなのだから、裸で出場するというのが一番正解なのだろう。

 さて、わが奥ゆかしき日本。
 今回は女たちが浴衣っぽいシャツを着ていたように思う。
 ま、ブレザーよりマシだけどね。誰がデザインしたのか知らぬが、少しは日本的な特長を出そうとがんばったのであろう。
 しかし「…っぽい」デザインなんか不要なのだ。
 せっかくみんなウチワを手にしていたんだし、真夏の夕方なんだから、ずぱり浴衣で登場すれば、世界中の観衆はさぞや喜んだことであろう。(ついでにお得意のハイテクで周りにホタルでも飛ばせば最高)
 そのほうが金メダルを幾ばくか手にするより、よほど「国威発揚」につながるはずである。
 開会式にはジャポニズムで花を添え、競技はほどほどにして相手に花を持たせる。それが奥ゆかしさというものであろう。
 おおいに国衣を発揚すべしというお話。


8月31日(火) 素食

 以前もこんなタイトルで書いたような気がするが…。
 ま、美味しい話は何度でもいいだろう。
 素食とは中華ベジタリアンのこと。
 これは台湾で近年かなり流行っているスタイルで、私も数年前台湾を訪れた際、友人たちに二三度連れていかれ、大いに感銘を受けたものである。
 もともとは仏教系の精進料理であるようだ。

 ところが日本では、中華料理といえば「空を飛ぶものは飛行機以外なんでも食う」と言われるくらい超「雑食」だと見なされている。
 だから、菜食中華など滅多にない。
 神戸や横浜の中華街に行っても見当たらない。
 わずかに、東京浜松町の仏教伝道会館と、同じく国立(くにたち)の中一素食店くらいしか聞いたことない。
 この中一素食店が数年前、「健福」という名で立川駅ビル「グランデュオ」内の「立川中華街」に支店を出す。
 以来、私も真木千秋も、青山から電車で帰宅する際には、よく立川で下車して夕食をいただくのである。
 美味しくて値段も手頃。
 それにこの種の店は概して、スタッフやお客の感じも良い。(自分も含めて)

 …と、ここまでだと非常にローカルな話で大方の皆さんには恐縮なのだが、先日、あながちそうでもないことを発見!
 この「健福」が、名古屋と大阪にも支店を出したのだ。
 場所は、上前津駅の「大須中華街」と、千里中央駅の「千里中華街」。
 日本にもいろんな中華街があるようだが、おそらく立川と同じような駅ビルの1フロアなのだろう。

 「ずいぶん繁盛してるんだね」と聞くと、「いえ、JRさんからお話があると、オーナーがすぐに乗ってしまうんです」との答え。
 オーナーとは台湾出身の李健福さんという長身痩躯のおじさんで、その健福が店の名前になっている。
 確かに、いつもそんなに混んでいない。
 まだ一般にあまり馴染みがないのだろう。
 こうした店がもっと広がれば、また日本の食文化も一段と豊かになるはずである。
 (まあ、私たちは特にベジタリアンというわけではないのだが、美味しく菜食できるなら、そのほうが身体や地球のために良いようである)
 というわけで、ご近所のみなさん、せいぜい贔屓にしてやってください。

 名古屋:大須301ビル3階 TEL 052-252-7066
 大阪:セルシービル5階 TEL 06-6832-6866


9月2日(木) 地球交響曲

 今、成田空港。
 インド航空307便の出発待ち。
 これからデリーに向かうのだ。
 ウチの女たちは皆JALで飛ぶのだが、私だけはこのところいつもインド航空。
 おそらく私には、JALスッチーのやたらニコニコ・サービスより、インド婦人の多少ぶっきらぼうな応接の方が性に合っているのだろう。

 さて、昨日、東京国際フォーラムで、『地球交響曲・第五番』を観てきた。
 これは知る人ぞ知る映画作品で、「この世界はすべて繋がっている」というガイア理論をベースにしたドキュメンタリーだ。
 今回はシリーズ第五番。
 当スタジオとも少なからぬ縁のある作品だ。
 というのも、メイン出演者二人のうち、ひとりがほかならぬ沖縄西表の石垣昭子さんだからだ。

 石垣さん主宰の紅露工房には、真木千秋も毎年のように出かけ、一緒に染織を楽しんでいる。
 そして、石垣さんと真砂三千代さん、真木千秋によるコラボレーション『真南風(まあぱい)』も、今年で七年目を迎える。
 今年は初の秋展で、今月22日からの開催だ。
 ただ、真南風の作品は青山に来れば見られるが、その染織の現場はなかなか近づき難い。
 その意味で、この第五作は貴重な映像である。

 芭蕉の栽培から収穫、糸とり。
 染材である紅露(くーる)や福木(ふくぎ)の採取。
 染めや海晒(うみざら)し。
 昭子さんの話や工房の様子も含め、こうした島の風土に根ざす染織の営みを、みなさんにもぜひ御覧いただきたい。
 本編中で染められている布の一部は、やがて形を変えて、真南風の衣となっていく。

 浦内川の河口で晒した布を引き上げるとき、そのバックに流れていた艶やかな歌声はすばらしかった。
 おそらく歌曲『初恋』であろう。プログラムによると、鈴木慶江という歌姫だそうだ。
 こうした湿潤な美声は、日本人ならではのものだろう。
 湿潤な八重山の風土にはぴったりかもしれない。
 監督の龍村さんにとっては音楽が非常に大事な要素であるらしく、まず音楽があって、それから映像を組み立てたりするそうだ。
 昭子さんの夫君、金星氏が登場すると楽相が激変してちょっとびっくりするのだが、それは観てのお楽しみ。

 メイン出演者のもうひとりは、ハンガリーの天才、アーヴィン・ラズロー博士。
 この人の話のほうが、実は私にはおもしろかった。
 博士の提唱する「エネルギー場」の理論は、神秘学で言う「アカシック・レコード」を思わせ、なかなか興味深い。
 ただちょっと理屈っぽく感じる人もいるかもしれない。
 
 この「地球交響楽」シリーズは、一般映画館では上映されない。
 ほとんどすべてが、日本各地の有志による自主上映だ。
 上映スケジュールはこちらを参照。(ただし必ずしも時間順に表示されないので御注意)
 私の友人も二人ほど主催者になっているので、そのときには旅行もかねて駆けつけてやってください。
 その二つは以下の通り;

 10月24日(日) 石垣市民会館中ホール
 上映時間 10:00 14:00 19:00
 ホームページはこちら
 主催者は新城音絵さん。かつてMaki青山店でも舞ってくれた八重山の踊り手だ。
 母親の新城知子さんが本編中、浜辺で舞を舞っている。

 12月23日(木) 三重県伊勢市・いせトピア
 問い合わせ先:ガイアシンフォニー第5番伊勢上映実行委員会 052-322-7590 シネマ雄
 伊勢神宮は昨年ダライ・ラマが参詣し、その様子が本編中に登場する。
 Maki 布もあわせて展示されるかも。

 なお現在、東京・有楽町の東京国際フォーラムで、本編がロードショー公開されている。
 8月28日(土)〜9月12日(日) 10:20 13:00 15:45 18:30
 昨日(9/1)は龍村仁監督も来場し、上映後にちょっとしたご挨拶があった。
 ちなみに、土日は混むようだから、できたら平日の日中が良いとのこと。


9月11日(土) Papaya!?

 昨日、無事インドより帰還。
 時差が三時間半あり、飛行機が四時間遅れ、なおかつ機内泊だったので、昨日一日は半死半生の体であった。
 千秋の母親真木雅子の松茸御飯と、ぱるば実家から届いた巨峰とで、わずかに飢えをしのぐ。

 ところで、今回のインドは、きっと端境期(はざかいき)だったのであろう、あまり果物は豊富ではなかった。
 (たとえば王者マンゴーは春の果物)
 スイカとかメロン、リンゴ、ブドウなどはあったが、こうした日本でも穫れる果物に関しては、農業技術の差もあるのだろう、一般に日本のほうが優っている。
 それでもっぱら我々は、いつでも穫れる南洋の果物、パパイヤを食べることになる。
 ビタミンCも豊富で良いのだ。

 で、今朝、久しぶりに我が五日市の畑に行ってみると、なんとパパイヤが…! (右写真)
 あるわけないよな。
 色や形はそっくりだが、ヘタの部分がチト違う。
 そう、これは過剰に生育したズッキーニなのである。
 私が畑を留守にした十日の間に大化けしたらしい。
 「店に展示しとけば」と近所の友人に言われたのだが、処遇は検討中なので、まずはここに掲載。


10月7日(木) 青山かいわい散歩 ― アジアン・エキゾチック

 地下鉄・表参道駅から当スタジオへ向かうと、骨董通りに面して小原流会館がある。これは読んで字のごとく、華道・小原流の会館だ。
 その地下がレストラン街になっていて、私たちもよく利用する。
 最近、その街にちょっとおもしろそうな食事処が二つほど出現したので、突撃レポートを敢行。

その1・Yサイゴン
 名前からも察せられるように、ベトナム料理の店である。
 昼食時に行くと、「今、話題のフォー!」という表示が出ている。
 フォー!? 聞いたことないなあ……ということで敬遠していたのだが、あるとき意を決して試すことにする。
 これ、米の麺であった。言うなれば、ビーフンのきしめんかタリアテッレみたいなもの。
 鶏、海鮮、ベジタリアンと三種あって、私は「山寺の味」と銘打たれたベジを選ぶ。
 これがけっこうエキゾチックで楽しい。
 別の容器で運ばれてくる魚醤と香菜をふりかけると、気分はまさに東南アジア。
 ランチセットになっていて、ほかに生春巻とデザート、ドリンクがついて\1000。
 雰囲気もしっとり落ち着いていて、おすすめかも。
 東南アジアで花盛りの化学調味料を使ってない点も評価。
 南青山 5-7-17 小原流会館B1 03-3406-9088 11:30-14:30/17:30-21:30 日曜休 HPはこちら 

その2・SITAARA
 これも名前から察せられるように、インド料理店。
 なんでもインドの五つ星ホテル、オベロイが日本に初めて進出したんだそうな。
 ランチタイムに行ってみると、ケバブセットとカレーセットがあり、それぞれにベジタリアンとノンベジタリアンがある。
 ベジのカレーセットを頼むと、野菜カレーとダール(レンズ豆カレー)、ナンと御飯、それにドリンクがついてくる。
 ナンはおかわりができるようだ。御飯はインディカ米(長粒種)でエキゾチック。
 マンゴーのピクルスが付け合わせで出てくるのも嬉しい。
 オベロイホテルから来た三人のインド人シェフが調理しているそうだ。
 まだ二回しか食べていないが、ここで私の定番インド料理店・ナタラジ青山店と比べてみよう。
 料理の味に関しては、今のところナタラジに軍配が上がろうか。ナンやチャイにも一日の長がある。
 しかし店のお洒落度はSITAARAが上。
 特に全面禁煙なのが高見識。
 ナタラジの場合、狭い店内で分煙もままならぬから、昼時に隣席のOLなどにスパスパやられると、せっかくの「自然派カレー」の風味も半減である。(だからOLやサラリーマンのいなくなる1時半過ぎに行くべし)
 というわけで、この勝負、引き分けであろうか。
 南青山 5-7-17 小原流会館B1 03-5766-1702 11:30-15:00/18:00-22:00 日祭休 HPはこちら 


10月17日(日) はっと

 今、岩手県の平泉。
 展示会での来訪なのだが、毎度のことながら、餅を始めとする土地の伝統ディッシュがイケている。
 「牛に引かれて」ならぬ、「餅に引かれて中尊寺」である。

 昨晩はまた珍しいものを食した。
 「はっと」である。
 一種の「すいとん」だ。
 こちらで『女わざの会』を主宰する森田珪子さん指導のもとに、体験夕食会があった。
 甲州の「ほうとう」と同じく「はくたく」を語源とするものらしい。
 一説によると、あまりにウマいので、昔の意地悪な領主が平民に対して御法度にしたゆえに、「はっと」なんだと。
 当地で愛好される粉食である。

 作り方はわりかし簡単。
 南部地粉という当地の小麦粉を水でこねて、二時間ほど寝かす。
 それをひとつかみ左手に取り、右手で薄く引き延ばしながら、ぐらぐら煮え立った湯の中に、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ。
 いったん湯の中に沈んだ「はっと」が浮かび上がると、できあがりだ。

 ちょうど餅のようなもので、いろんな食べ方をする。
 昨夜はまず、カラシと生醤油で食べる。
 シコシコした食感に意表を突かれる。
 我々の知っている、いわゆる「すいとん」や「つみれ」とはだいぶ違う。

 次いで、「粒あん」と「ずんだ」にからめたはっとが出る。
 ずんだとは枝豆でつくった粒あんみたいなもので、美しい淡緑色と枝豆の香ばしさが特長だ。
 あんころ餅やずんだ餅に相当するもので、あづきばっと、ずんだばっとと呼ばれる。
 そのほかに、ごばばっと、かぼちゃばっと、くるみばっと、じゅねばっとなど、いろいろあるみたい。(じゅねとはエゴマのこと)

 もちろん、山梨のほうとうみたいに、汁の中に入れてもいい。
 これを「はっと汁」という。
 じつはこのはっと汁、今度の「MAKIの秋・竹の家篇」でやってみようかとの声もあり。
 これだとみんなで楽しく火遊びができそう。
 明日、南部地粉も5Kg竹の家に届くので、まずスタッフで実験してみることにしよう。


10月26日(火) 晩秋の信濃路・チェロコンサート

 五日後の10月31日(日曜日)のことで、いささか差し迫っているのではあるが…。
 信州上田のギャラリー月のテーブルにて、チェロのコンサートがある。
 題して『群馬交響楽団のメンバーによる二台のチェロのデュオ・コンサート』
 ちょっと長いが、要するに群響チェロ奏者二人による音楽会だ。
 出演はレオニード・グルチンとファニー・プサルグ。

 じつはこのグルチン氏、愚妹・田中惠子のチェロの師なのだ。
 その縁でコンサートを開くことになる。
 群響と言えば地方オーケストラの雄。
 その主席チェロ奏者だから、きっとウデも良いことであろう。
 信濃路の秋も深く、蚕室を改造した小さなギャラリーで、二台のチェロの音色に耳を傾けるのもまた一興であろう。
 私もまた両親の顔を見がてら、今年の新米もゲットしようとの魂胆で、出かけることにする。
 チケットの残数も僅少らしいので、関心のある方はお早めに連絡のこと。

 10月31日 14:30開場 15:00開演
 会場:月のテーブル 長野県上田市仁古田1577
 料金:3000円
 問い合わせ:0268-31-2134

追記(10/31) コンサートの模様はこちら

× × ×

 ところで、本件とはまったく関係ないのだが、最近、「HPの写真が見えませんっ!」という苦情を頂くことがある。
 ことに竹林日誌に問題があるようだ。
 あるいは、リンクをクリックしても飛ばないとか。そんな不具合が見られた場合、そちらのパソコン環境とともに、その旨お知らせいただくと、まことに有難い。
 パソコン環境というのは、使用ブラウザ(NetscapeとかInternet Explorer)とそのバージョン、使用OS(WindowsとかMac)とそのバージョン等々。
 それがわからない人は、とにかく、「見えません」とか「リンクが効きません」とか書いて、par99@itoito.jpまでご一報願いたい。
 それではよろしく!

リハーサルの様子。露人と仏人の二人は通常、英語でコミュニケーションを取るのだが、その間に日本語も交じっておもしろい。「お任せします」とか ― 。お任せされても困るなァという表情のファニー嬢。

11月1日(月) 花のテーブル

 昨日のチェロ・コンサートには四十人ほどの人々が集う。
 もちろん、ギャラリー「月のテーブル」にはそんなにたくさんの椅子はないから、近所の公民館から折りたたみ椅子を三十脚ほど借りてくる。
 手作りコンサートなわけだ。
 主催者である愚妹は人づかいが荒く、私は客の送迎とか駐車場係など、雑多な使い走りを仰せつけられる。
 今朝は、軽トラに椅子を積み込み、川西公民館へ返却だ。
 受付からいかにも人の良さそうなおじさんが出てきて、「あ、花のテーブルさんですね」とのたまふ。
 「いえ、あの、月なんですけど…」と私。
 ま、そんなヘンな名前をつける方が悪い。

 今回、信州上田にやってきたのは、藍草の様子を見るためもあった。
 今年の盆明け、インドへ行く直前に、真木テキスタイル総出で生葉染めをおこなった。
 その時いったん全部刈り取ったのだが、残った根から茎葉が生え、また染められるくらいに育ったのである。
 しかし様々な雑事にまぎれ、結局、染められずじまい。
 今は御覧の通り、花盛りである。
 夜来の雨が滴となって花穂の先に玉をなす。
 こうなってはもはや色も出まい。
 よく見ると紅葉し始めている。
 藍の紅葉も、藍色ではなくて赤色であるらしい。
 いずれ種になるから、そのときにはまた採取に来ねばなるまい。

 この藍畑の背景がブドウ畑。
 さらにその先遙か浅間山が望めるはずだが、今日は残念ながら雲に隠れて噴煙を御紹介できず。
 里のみやげに、米と柿、カボチャと大根とネギを車に積み込み、帰途につく。
 (この野菜三種は、いずれも養沢では猿に狙われ、作るのに難儀するのだ)


11月17日(月) 檜原百年

 今日は取材が入る。
 NHKの「おしゃれ工房」。
 母親の真木雅子(籠作家)がよく出ていたので、その御縁でのお話である。
 この番組は、テレビと雑誌の二本立てだ。
 なんでも、その中に「ようこそ我が家へ」というコーナーがあるらしい。
 それで今日は雑誌の取材が我が家へ来訪となった。

 どこのお宅でもそうだろうが、来訪者があると、家がキレイになっていい。
 当家も昨日から、せっせと掃除に精を出す。
 おかげで、まるで雑誌に出てくるみたいな家になる。
 ただ困るのは、私の愛用になる日常雑貨類が容赦なく隠蔽されてしまうことだ。
 カボチャ切り用イボイボ付き軍手とか、暖炉掃除用ゴム付きチリトリとか、祭壇点火用チャッカマンとか。
 そのまま不帰の客となるものも。
 原状復帰まではイバラの道だ。
 ま、これもゲームの一環、致し方あるまい。
 NHKの場合、打合せ・雑誌・テレビと三度の取材があるから、そのたびに家がキレイになり、かつ、そうした不都合が出来する。

 ところで今日は稀に見る良い天気。
 こういう日をきっちり「予見」するというのも、編集者のウデのうちなんだそうだ。
 畑仕事のカットも欲しいということ。
 どんな作業にしようかと考えていたところ、今朝方、近所の友人から差し入れがあった。
 「檜原百年」の種だ。
 この「ひのはらひゃくねん」とは、お隣・檜原村でこの百年のあいだ作り続けられてきたというエンドウ豆。
 11月後半が播き時だ。
 我々も毎年これを播いて、春にサヤエンドウとして食べる。
 とってもおいしい。
 おいしくて、全部食べ尽くしてしまうから、播く種がない。
 それで、近所の友人に毎年、種を恵んでもらうのだ。
 というわけで、これはちょうどいいと、檜原百年の種まきをした。
 おかげで来春もサヤエンドウが食べられる。
 雑誌は一月中旬発売予定。


12月21日(火) 失われた帛を求めて

 これは本当にあったお話 ―

 時は平成16年、12月の19日。
 (つまりおととい)
 登場するのは、東京中野在住の当スタジオスタッフ大村恭子。
 十五本のショールを所有するという、本邦屈指のMaki布愛好者でもある。
 さて、うららに晴れた日曜日、恭子は恵比寿の美容院までお出かけだ。
 その日手に取ったのは、「神代楡(じんだいにれ)」という名の一本。
 三谷龍二氏の同名シリーズからヒントを得た、織師泣かせの絹100%モノである。

 新宿から山手線内回りに乗り換えて、恵比寿に向かう恭子。
 日曜だったので車内も空いている。
 ところが恵比寿のひとつ手前、渋谷駅で電車が立ち往生。
 なんでも事故があったらしく、いくら待っても発車しない。
 それでいったん下車して埼京線に向かい、でもやっぱり山手線にもどったりと、ゴタゴタしながら恵比寿に到着する。

 美容院で髪を切り、それからあれこれ用事を足したり。
 そのうち陽も傾き、なんとなく肌寒さを覚える。
 そこでストールを、と思ったとき…
 ない!
 頭の中でいろんな考えが巡る。
 たしか電車の中では手許にあった。
 車内が暖かだったので、首から下ろして膝の上に置いた気がする。
 きっと渋谷駅のゴタゴタの中で無くしたんだ…。
 あれからもう五時間ほど経っている。
 いったい私のあのストールは今どこに!?
 隣に座っていたおばさんが気づいて届けてくれてたらいいんだけど…。

 とりあえず、恵比寿の駅で駅員に相談してみる。
 山手線の遺失物は一ヶ所にまとめられるそうだ。
 その管理所に連絡を取ってくれたが、そういうものはないとのこと。
 そのうち出てくる可能性もあるので、名前と連絡先を記入しておく。
 それでもあきらめきれず、次の渋谷駅で下車し、内回りのホームに向かう。
 もしかしたら誰かが拾って、ベンチの片隅とかに置いといてくれてるかも…。
 ところが、そうしたものは一切ない。
 空き缶ひとつ落ちていない。
 わが武蔵五日市駅ならいざ知らず、都会のターミナル駅では、ひとかけらの不審物も許されないらしい。

 もしやもしやに引かされて、電車の線路に目を遣る恭子。
 近在の方はご存知であろうが、山手線渋谷駅のプラットフォームは大きく湾曲している。
 ちょっと危ないのだ。
 そして電車は頻繁にやってくる。
 乗降客をかきわけかきわけ、深い奈落のような線路をこわごわ覗き込む…。

 「あっ、私のストールっ!!」
 思わず大声を挙げる恭子。
 近くにいたお兄さんが思いきり不審な眼差しを浴びせかける。
 なんと、あの「神代楡」が、山手線内回り二本のレールの間にうずくまっているではないか。
 「あっ、あの、無くしたものが見つかったので…」と言い訳じみた独り言。
 ほどなく次の内回り電車がやってきて、ストールの上に覆い被さる。

 乗降客をかきわけて、駅員のもとに行き、事情を話す。
 駅員は駅舎から長いマジックハンドを持ち出してくる。
 電車が走り去ると、神代楡はその風圧で飛ばされ、今度は内回り線路と外回り線路の中間に移動している。
 それを駅員が手際よくマジックハンドで拾い上げてくれる。
 
 かくして、神代楡は恭子の手に戻るのである。
 そして奇跡的なことに、キズひとつついていない。
 山手線は三分に一本は発着する。
 五時間と言ったら、内外あわせて二百本の電車が行き来したことであろう。
 神代楡はそのたびに、あっちにユラユラ、こっちにフワフワしていたわけだ。
 世の中、フワフワしているほうが良いらしい。
 神代の昔から土に埋もれていた木の色だから、線路の敷石の色に溶け込んで、誰も気づかなかったのであろう。
 年の暮れも押し迫る都会のターミナル。
 電車の下にもぐり、風に飛ばされ、数時間、神代楡は何を思っていたのやら。

 教訓:Makiストールを無くしても決してあきらめるべからず。きっとどこかであなたを待っている。(写真:恭子と神代楡)


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