いといと雑記帳 2008後半

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7月29日(火) インドカレーでめくるめく!

 SPUR(シュプール)っていう雑誌、ご存知?
 私は知らなかった。なんでも20代OLが対象らしい。
 どうりで、表紙を開けると延々27ページ、ブランド広告の連発。ちょっと辟易。

 その9月号が先週発売された。
 皆さんに見ていただきたいのが、257ページ。
 「今年の夏は、インドカレーでめくるめく!」と題された小特集だ。
 SPUR女子カレー部が極上美味なる噂のカレーを求めて東奔西走したんだという。
 首都圏の12店が紹介されているのだが、その冒頭、1ページまるまる掲載されているのが、当・竹林カフェ!
 ランチセットや、店の様子、ラケッシュ君のニッコリ写真など、なかなかよろしい。
 私の育てたレタスやサヤエンドウもサラダになってちゃんと写っている。
 推薦者のスタイリスト酒井章子さん曰く「お店の佇まい、料理の繊細な味わい、盛りつけ、すべてに高い美意識を感じます。自然と共存する姿勢も素敵。人生のお手本です」だと。
 う〜ん、いささか誉めすぎの感もあるが、さんきゅー!

 ところが、肝腎の竹林カフェ、明日から八月いっぱい夏休みなのだ。
 みなさん、9月になったらまた、その人生のお手本を味わいに来てくだされ!
 ラケッシュ君もインドで研鑽を積んで戻ってくるはずなので。


8月9日(土) Makiの野望

 昨日、オリンピックの開会式があった。
 四年に一度のお祭りなので、つい夜更かしして観てしまう。
 で、毎度のことながら、同じ感想を持つ。

 日本選手団のユニフォームがイマイチ!
 日本ばかりでなく、およそ東アジア勢はみなダサイ!
 208カ国もあっていささか飽きてきたんだが、我が予測を確かめるべく最後まで観たら、やっぱり中国のセンス最悪!
 なんでみんなあんなふうにブレザーにこだわるんだろう。国体じゃあるまいし。
 洋装じゃ西洋に負けるに決まってんだから、そういうのはフランスやイタリアに任せて、東洋は東洋の格好で勝負すべし。お祭りなんだから。
 アフリカの貧しい国々の方がよっぽどマシだ。ほとんどみんな自国のカッコいい衣裳でキメている。
 アジアで一番だったのはやっぱブータンかな。あの民族衣装「ゴー」だけで鮮烈な印象を残している。

 あれは明治の御代、日清両国の外交交渉の席。
 日本代表団はみなちんちくりんの洋装で臨んだのに対し、清国の代表団は清朝の礼装で登場し、西欧列強の目にもまことに凛々しかったそうである。
 それが今では日本以下の体たらく。あれじゃチャン・イーモウ演出の壮大な歴史絵巻も泣くぜ。
 韓国、北朝鮮、台湾etcは言うに及ばず。
 やっぱ、日本が先鞭をつけない限り、この東アジアの醜態はどうにもなるまい。

 わがインドもイマイチだったが、クルタ風の長衣を着ていたんでまだ許せる。
 ラジャスタン風のターバンでも巻いて出てきたらさぞかし格好良いと思うのだが。
 女子選手が極端に少なかったので女性衣裳は不明だが、客席のソニア・ガンディーはサリー姿だった。(インド国民会議派党首の彼女はイタリア人だから政治的にもサリーを着る必要がある)
 ともあれ、同じアジアの大国・中国とは対照的に、オリンピックなんてどうでもいいって雰囲気がいかにもインドらしくて良い。
 
 実際、競技の成績なんてどうでもいいのだ。
 国同士でメダル数を競いあうなぞ知性を疑う。
 開会式でかっちょ良く登場し、あとは枕を並べて討ち死にし他国に華を持たせるのが、葉隠れの美学というものだろう。

 というわけで、4年後のロンドン大会。
 情け無い我が東アジアをどうにかしないと。
 そこでだ、日本選手団の衣裳デザインは、ぜひウチに任せてもらいたいものである。
 運命の2012年でもあるし。



8月18日(月) 精霊トンボ

 以前もお伝えしたように、竹林カフェでは生ゴミを堆肥にしている。
 コンポストを二つ設置し、今までに三杯分の生ゴミ堆肥を生産している。
 これがかなりの3K労働なのだが、環境のためには絶対に良い。

 できた堆肥は畑に戻す。
 今日も朝から野良に出て、鍬(クワ)を振るって堆肥を土にすき込む。
 今どきこういう作業は皆さん耕耘機でやるのだろうが、エコと体力作りも兼ね、できるだけ人力でやる。

 畑を耕していると、周りにトンボが寄って来る。
 ウスバキトンボと呼ばれるやつだ。
 その名の通り薄羽で黄色。
 お盆の頃に現れるので、精霊(しょうりょう)トンボとも呼ばれるらしい。

 特記すべきは、このトンボ、とまらないことである。
 ずーっと空中を遊泳している。
 だから、なかなか捕らえることができない。(むかし少年だった頃の話)
 そもそも精霊なんだから、捕らえちゃいけないのだ。

 なぜこのトンボが寄って来るかというと、おそらく餌にありつけるからだろう。
 耕作の営みに驚いて地上の小昆虫が空中に飛び出してくるのだ。
 それに私の周りは安全だ。
 トンボの最大の天敵は鳥であろうが、私が居ると鳥が寄り付かない。

 そしてこのトンボは、わが小さな守護神である。
 というのも、私の天敵はヤブ蚊だからだ。
 ヤブ蚊の少ない信州上田出身のせいか、どうもあのアグレッシブな黒色羽虫が苦手でならない。
 しかるに、精霊が群れなし遊泳していると、さしもの小悪魔も恐れをなして出てこないようだ。

 というわけで、トンボたちの守護のもと、私も安心して耕作に励むことができる。
 そして秋も深まる頃、カフェのメニューにもぼつぼつとその収穫物が顔を出すようになる。
 うるはしき連帯の賜物なわけだ。

8月23日(土) 元祖・青山

 Makiが十年間店を構えた東京港区の青山。
 別に青い山があったわけじゃなくて、人名に由来する地名だ。
 その昔、家康の重臣であった青山忠成が同地に広大な領地を賜る。
 その青山氏は後に美濃・郡上藩の藩主となる。
 そして郡上藩の江戸屋敷があのあたりにあったころから、いつしか同地が青山と呼ばれるようになったという。

 一昨日、岐阜県の郡上八幡を訪ねた。
 郡上踊りで有名な、山あいの小さな街だ。
 青山氏ゆかりの郡上八幡城に登ると、中が資料館になっている。
 そこで面白いものを見つけた。
 青山家の旗印だ。(写真)

 下半分ほどが濃紺に染められている。
 スロープが山の斜面のよう。
 そして上方に空色で「山」の文字。
 まさに青山だ。
 おそらく藍で染めたものだろう。

 手前の人物(私)はどうでもいいんだが、たまたま昨秋藍で染めたカディのシャツを着ていたので一緒に収まる。
 このシャツは三回染めたものだが、旗印の「山」とだいたい同じ濃度の空色だ。
 下方の濃紺は十度以上も染めたものだろう。
 (旗印が小さく見えるが、これは広角レンズによる効果で、実際は実物大)
 この郡上八幡の街には、昔ながらの藍染「郡上本染」を今に伝える紺屋さんも残っている。

 この青山氏の取り持つ縁で、今年の夏、外苑前商店街と郡上市は「友好都市」になったという。
 なぜ外苑前商店街かというと、青山家の菩提寺・梅窓院が外苑前にあるからだろう。
 外苑前ではここ15年間、「郡上踊り in 青山」が開催され、盛り上がっていたらしい。
 知らなかった〜!
 郡上踊りも実物を今回見物してきたが、たいそう興味深いものだった。
 特にあの浴衣コミュニティは画期的。
 梅窓院で行われた「友好都市」調印式には、郡上市長も港区長も浴衣姿で出席したという。
 (やっぱオリンピック入場行進はアレが良い!)

 実は三週間後の9月11日から、外苑前のギャラリー
リスティでMaki二年ぶりの青山展示会を開催。
 梅窓院からわずか100mほどのところだ。
 はからずも青山のルーツに接近!



9月5日(金) クロアチア

 ここ五日市にも変な人々が増えてきた。
 最近現れたのはM氏。
 吉祥寺の伝説的カフェFloorのオーナーだった人だ。
 何でも一年ほど前に当地に移住してきて、二人の女子・R嬢&K嬢とともにサロン・ド・ピンクっていうのをやっている。
 料理教室なんだそうだ。
 それからオーラソーマのセッションなども。

 このM氏が今度は骨董屋を開くんだそうだ。
 場所はこのへん
 Maki Textileから歩いて三十分くらいかなあ。黒茶屋の近所。
 今月下旬にオープンしたいと言う。
 「何日が良いですかねえ?」と聞くから、「26日が良いよ」と答える。私の誕生日だから縁起が良い。
 それで9月26日にオープンするらしい。あいにく私は所用で不在だ。

 第一夫人のR嬢がバッグなどを作る人で、彼女が製作がてら店番をするという。
 先週末M氏に会ったとき、明日からヨーロッパへ行く、とのたまふ。
 骨董の買い出しとのこと。
 ヨーロッパのどこかと聞くと、クロアチアだそうだ。
 このへんの人々は別にクロアチアの骨董なんか買わないと思うんだが…。
 きっと都会から客を呼んでくるんであろう。
 今ごろ海辺のドブロブニクあたりに居るのかな。
 どんな店になるか楽しみなことである。

*  *  *

 話は変わるが、本日、アサヒタウンズの取材を受ける。
 朝日新聞に毎週木曜折り込まれる東京多摩地区の情報誌だ。
 記者が可愛らしかったのでつい3時間ほど熱弁を振るってしまったが、さてどんな次第になることか。
 再来週の18日発行とのこと。
 多摩地区しか配達されないんだけど。





9月18日(木) 青山の箱

 青山展が終わった。
 昔取った杵柄じゃないが、なんとなく、しっくりとハマる。
 そんな土地柄であった。
 いろんなお客さんにも来てもらったし。
 またやりたいと思う。

 ただ、ちょっと会場が狭かったかな。
 静かで、新しくて、交通アクセスは良かったが−。
 昔の青山店を知る人には少々物足りなかったかも。
 私など居場所がなくて、いつもハミ出ていた。

 その裏手、南青山三丁目交差点の近くに、瀟洒な一画がある。
 今年四月にオープンしたパサージュ青山という商業コンプレックスだ。
 中庭を中心に小洒落た店が並んでいる。
 その二階にギャラリースペースを発見。
 広さは今回の二倍。天井も高く、外光も入る。
 値段も相応だが、まっいっか。
 ヒマなときは周りを散歩してるだけでも楽しそう。

 良いハコ見っけ! という感じ。


 10月5日(日) 傘は天下の…

 友人の車に便乗して、近所の店を訪ねる。
 最近開店したばかりの雑貨屋「Toco」だ。
 9月5日の日誌で紹介した店である。
 お茶うけに栗の渋皮煮が出る。
 自家製だそうだ。
 うまかった。
 しばし歓談の後、家路に就く。
 車で送ろうかと言われたが、散歩したい気分。
 拙宅までは3km半ほどの道のりだ。

 山裾の静かな小径を歩く。
 左手に蛇行する秋川の清流が美しい。
 そのうち雨がぽつぽつと降ってくる。
 こっちは手ぶらだ。まあなんとかなるだろう。
 途中、畑仕事をしている友人に出会う。
 もう半年以上も会っていない男だ。
 いろいろ道草できるのも散歩の気楽さ。

 しばし歓談の後、再び家路に就く。
 雨がだんだん本気になってくる。
 ちとやばいかも。
 その先には馴染みのコンニャク屋。
 足早に通り過ぎようとすると、顔見知りの若い女店員に呼び止められる。
 「たくさんありますので」と、自分の車からビニール傘を取り出してきて、手渡してくれる。
 その間にも雨脚は強まる。
 「今度返しに来るから」と言うと、「いいんです、持って行ってください」と。
 確かに、かなり古い傘だ。わざわざ返しに来られても困るかも。

 だったら今度、雨で困っている人がいたら、差し上げるとしよう。
 昔から言うではないか —
 傘は天下の回りもの。


 
10月30日(木) ぱるば講演のお知らせ

 日ごとに秋も深まる今日このごろ。
 みなさんにはいかがお過ごしのことでしょうか。
 私ぱるばも元気でお過ごしなのですが、最近はライフワークの瞑想のことで多忙になり、当HPもなかなか更新できず申し訳ない。

 多忙ついでに、来月(11月)の15日(土)、横浜にて講演をすることになったので、そのお知らせを。
 「魂のオデッセイ」という題で、ごく普通の人間であった私がどうして瞑想に向かうようになったか、その波瀾万丈の半生を語ります。

 ま、インドの染織についてならいざ知らず、こうしたタイトルで語るのは初めてなので、いったいどうなるか委細は不明。
 おヒマなみなさんは是非どうぞ!!

 くわしくはこちら

11月4日(火) かめむし草

 晩夏に信州の高原に行くと、咲き競うマツムシ草の薄紫色がいかにも涼しげだ。
 今、拙宅の畑にはカメムシ草がもくもくと生い茂っている。

 これ、コリアンダーのこと。ギリシア語でkorisはカメムシとの由。
 日本語ではズバリ、カメムシソウ。
 その香がカメムシみたいなわけだ。

 中国では香菜、タイではパクチー。ヒンディー語でダニヤ、マラティー語でコッティンビ…。
 実に六カ国語で知ってるんだから、いかにオレがこの香味野菜を愛好しているかうかがえよう。

 特別な薬効がある。
 体内に蓄積した重金属を排出させてくれるんだと。
 Oリングの大村恵昭博士が発見。
 だから、どしどし食するべし。

 ただ、和食にはあんまり合わないのだ。
 クセが強いんで。
 いろいろ試してはみた。

 たとえば、日本でクセのある食品の代表といったら納豆だろう。
 そこにパラパラとかけて試してみる。
 う〜ん、さすがの納豆も負ける。
 カメムシを食っているみたいだ。(食ったことないからわからないが)
 味噌汁に入れると…。
 う〜ん、カメムシ汁みたいだ。

 それなりにウマイんだけど。
 やっぱ、タイ料理とか、インド料理とか、エキゾチックな料理に使いたいもんだ。
 そのウデがあればの話だが。


7月14日(月) バルフィ

 竹林カフェでチャイと頼むと、お茶菓子が出る。
 少し前までは、ラッドゥという丸い菓子だった。
 今はバルフィという四角い菓子。
 どんなもんかちょっとご紹介しよう。

左上
 大鍋に、スキムミルクと、カシューナッツのパウダーを入れ、カルダモンと丁字(チョウジ)、バターを加える。砂糖を褐色になるまで煮て、大鍋に注ぎ、練る。

左下
 ピスタチオ、レーズン、松の実、カボチャの種といったナッツ類を小さく砕く。写真はピスタチオを砕いているところ。

右上
 左上で練った生地を四角いパンに移して平らにし、上から砕いたナッツ類をふりかけ、良く押さえて馴染ませる。それを冷蔵庫で一晩寝かせるとできあがり。

右下
 三センチ角ほどに切って供する。
 北インドのお菓子だ。
 濃厚な味。クリーミーで香ばしい。
 このバルフィ+チャイで400円。
 バルフィだけでも注文できる。

11月19日(水) ぱるの利休

 竹林母屋の囲炉裏。
 炭火の上で、茶釜に湯が沸き立つ。
 静かに茶を点てる私ぱるば。
 最近はこんなこともやっているのである。

 実はこれ、昨日の雑誌取材の模様。
 裏千家にゆかりの淡交社という出版社がある。
 そこから出ている『なごみ』という雑誌の取材だ。
 「茶道の継承」という特集だそうだ。

 私もこの春からお茶を習い始めた。
 これがなかなか瞑想的で心地良い。
 『魂の布』でご縁のあった淡交社の編集者にその話をしたところ、興味深いということで、今回の取材になった。
 なんとなくそれっぽく見えるでしょう。

 そもそも茶の湯は禅と深い関わりがある。
 それでつい、超素人であるにもかかわらず、茶道と瞑想について大いに語ってしまったというわけ。
 来年の二月号に掲載予定とのこと。
 ともあれ、もうちょっと上達したら、竹林来訪のみなさんに茶を点てて進ぜたいと思うのである。
 



12月28日(日) 女性用褌が…

 最近、女性用の褌(ふんどし)が流行っているらしい。

 12月17日の朝日新聞サイトの記事参照。
 下着大手のワコール系からも発売されている。
 (なんかこのヒトが発信源らしいが)

 実は弊スタジオでも、我が長年の研究の成果『最強の褌』を発売しているんだけど…。
 これは男性用で、特に流行ることもなく、ただいま欠品中。

 私の友人の友人が、伊豆大島でヘンプ(大麻)製ふんどしを作っている。
 女物もあるので、試しに取り寄せてみた。
 余談だけども、女物はヒモが花柄だったり、レースだったりするんだな。(ちょっと考えられない)
 
 読者諸嬢はどうなんだろう。
 みなさん褌してみたい?
 だったら『最強の褌』女性版を作るけど。

 布を楽しむ究極のカタチなのである。
 これは。

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